日焼け止めと虫よけ、先に使うのはどっち?夏の肌対策で知っておきたい5つの盲点
夏の肌対策と聞くと、日焼け止めを塗る、帽子や日傘を使う、ビタミンCを意識する、といったことを思い浮かべる方が多いかもしれません。
でも、良い商品や美容成分を選ぶ前に、知っておきたいことがあります。
まず、ひとつ質問です
日焼け止めと虫よけを両方使う場合、先に使うのはどちらでしょうか?
日焼け止めが先でしょうか。
それとも、虫よけが先でしょうか。
ほかにも、
- ウォータープルーフなら、一日中塗り直さなくてよい
- 塗り直し用の日焼け止めを、真夏の車内に置いている
- 車の中なら、紫外線対策は必要ない
このように考えている方もいるかもしれません。
どれも日常でやってしまいやすいことですが、良い商品を選んでいても、使い方や保管方法を間違えると、本来の役割を十分に活かせない可能性があります。
今回は、よくある「美肌に良い成分〇選」ではなく、夏の肌対策で見落としやすい5つの盲点を取り上げます。
記事の後半では、紫外線対策と食事・サプリメントの役割の違いや、ビタミンB2と光にまつわる意外な話もご紹介します。
一つでも「これは知らなかった」と思うものがないか、普段の生活を思い出しながら読み進めてみてください。
盲点1|日焼け止めと虫よけ、先に使うのはどっち?

答えは、日焼け止めが先、虫よけが後です。
米国疾病予防管理センター(CDC)は、日焼け止めと虫よけを併用する場合、別々の商品を使い、日焼け止めを先に、その後から虫よけを使うよう案内しています。
さらに、限られたデータではあるものの、DEETを含む虫よけを日焼け止めの上から使用すると、日焼け止めのSPFが約3分の1低下したという報告も紹介されています。
日焼け止めは汗や水、摩擦などによって塗り直しが必要になります。一方、虫よけは、商品ごとに記載された使用方法や使用間隔を守る必要があります。
そのため、最初から一つになった商品よりも、それぞれを別に使った方が、必要なタイミングに合わせやすくなります。
覚え方は「日焼けを防いでから、虫を防ぐ」。
まず日焼け止めを塗り、肌になじんでから虫よけを使用しましょう。
スプレー式の虫よけを顔に使う場合は、顔へ直接噴射せず、一度手に出してから目や口の周りを避けて使用します。室内へ戻ったあとは、虫よけを使用した肌を洗うこともCDCから案内されています。
盲点2|塗り直し用の日焼け止め、真夏の車内に置いていませんか?

外出先でもすぐに塗り直せるように、日焼け止めを車へ置いている方もいると思います。
便利ではありますが、真夏の車内は、日焼け止めを保管する場所としては適していません。
米国食品医薬品局(FDA)は、日焼け止めの状態と有効性を保つために、容器を直射日光や過度な高温にさらさないよう案内しています。
海やプールなど、暑い屋外で長時間過ごす場合も、日焼け止めをタオルで包むか、日陰へ置くことが推奨されています。
肌を紫外線から守る日焼け止めも、保管中は日差しと高温から守る必要があります。
一度車内に置いたからといって、すぐに使用できなくなるとまでは言えません。
ただし、
- ダッシュボードや窓際に置く
- 毎日、高温になる車内で保管する
- 前の夏から入れたままになっている
といった使い方は避け、容器に記載された保管方法を確認しましょう。
忘れずに持ち出すには、車に常備するのではなく、外出用バッグに入れ、帰宅後はバッグごと室内へ戻す方法がシンプルです。
使用期限が過ぎているものや、いつ購入したか分からないものについても、表示上の性能が残っている前提では使用しない方が安全です。FDAは、期限切れの商品や、使用期限の記載がなく購入から3年以上経過した商品、古さが分からない商品は処分するよう案内しています。
盲点3|「ウォータープルーフ」なら、一日中塗り直さなくていい?

汗をかく日や、海・プールへ行く日は、「ウォータープルーフ」と書かれた日焼け止めを選ぶ方も多いと思います。
ただし、ウォータープルーフや耐水性という表示は、汗や水に触れても絶対に落ちないという意味ではありません。
FDAは、完全に防水の日焼け止めは存在しないと説明しています。
米国で耐水性を表示する商品は、泳いだり汗をかいたりした状態で効果を維持できる時間として、40分または80分のいずれかを表示する必要があります。
また、SPF50は「50時間効果が続く」という意味でもありません。
SPFは、日焼け止めを使用した場合と使用していない場合で、日焼けを起こすまでに必要な紫外線量を比較した指標です。時間帯や場所によって紫外線の強さは変わるため、SPFの数字をそのまま使用可能な時間には置き換えられません。
ウォータープルーフは、塗り直しが不要になる機能ではありません。
「2時間ごと」と時計だけで管理するのが難しい場合は、
- 海やプールから上がったとき
- 汗をたくさんかいたとき
- タオルで肌を拭いたとき
- 午後からもう一度外出するとき
など、特定の行動を塗り直しの合図にすると忘れにくくなります。
米国皮膚科学会も、屋外では2時間ごとに加え、泳いだ後や汗をかいた後は、すぐに塗り直すよう案内しています。
盲点4|車の中なら、紫外線対策をしなくても大丈夫?

通勤や買い物、子どもの送迎など、日常的に車を使う方は多いと思います。
窓を閉めているため、
「車の中なら、紫外線はほとんど入ってこない」
と思っていないでしょうか。
しかし、フロントガラスと横の窓では、紫外線の遮り方が同じとは限りません。
米国で29台の自動車を調べた研究では、UVAの平均遮断率は、フロントガラスが**96%だったのに対し、運転席側のサイドガラスは71%**でした。
サイドガラスの遮断率は44〜96%と、車によって大きな差も見られています。
この研究は米国で1990〜2014年式の車を調べたものであり、現在のすべての日本車にそのまま当てはまるわけではありません。
ただ、車種や年式、窓ガラスの種類によって、UVAを防ぐ性能に差があることは分かります。
一度の運転時間が短くても、
- 通勤
- 子どもの送迎
- スーパーへの買い物
- 仕事中の車移動
などを毎日繰り返せば、窓側の肌には継続して光が当たります。
特に忘れやすいのが、ハンドルを握る手の甲、窓側の腕、顔や首の窓側です。
「肌が赤くなっていない」と「紫外線を浴びていない」は同じではありません。
自分の車の性能が気になる場合は、取扱説明書やメーカーの仕様、施工しているフィルムの性能表示を確認しましょう。
そして、車内でも紫外線対策は必要ですが、日焼け止めは車内へ置きっぱなしにしない。
外出用バッグで持ち運べば、この二つを両立できます。
盲点5|スプレー式の日焼け止め、顔に直接吹きかけていませんか?

手を汚しにくく、腕や脚へ短時間で使用できるスプレー式の日焼け止め。
便利な一方で、顔にもそのまま「シューッ」と吹きかけている方はいないでしょうか。
FDAは、スプレー式の日焼け止めを顔へ直接噴射しないよう案内しています。
顔に使用できる商品であれば、容器の説明に従い、一度手に取ってから、目や口の周りを避けて塗りましょう。
また、吹きかけたこと自体ではなく、露出している肌へ必要な量が均一に付いているかを確認することも大切です。
腕の裏側や肩の後ろ、服との境目などはムラができやすいため、商品に「噴射後になじませる」と記載されている場合は、吹きかけるだけで終わらせず、表示どおりに広げます。
バーベキューや花火の近くでは、さらに注意
スプレー式日焼け止めには、アルコールなどの燃えやすい成分を含む商品があります。
FDAは、過去に火の近くでスプレー式日焼け止めを使用・着用していた人へ着火し、治療が必要なやけどが発生した事例を紹介しています。
可燃性の警告がある商品は、使用中だけでなく、肌へ付けた後も、バーベキューコンロ、焚き火、花火、たばこなどの火気を避ける必要があります。
スプレー式は手軽ですが、「どこで、どう使ってもよい」という意味ではありません。
顔への使い方、塗りムラ、火気との距離まで含めて、容器の注意表示を確認しましょう。
5つの盲点に共通すること
ここまで紹介したのは、特別に高価な美容商品を買う話ではありません。
- 日焼け止めと虫よけの順番
- 日焼け止めの保管場所
- ウォータープルーフの意味
- 車内で受ける紫外線
- スプレー式日焼け止めの使い方
いずれも、すでに持っている商品を正しく活かすための知識です。
良い日焼け止めを選んでいても、順番や保管方法、塗り直し方を間違えると、その価値を十分に活かせない可能性があります。
では、食事や栄養は、夏の肌に対して何を担っているのでしょうか。
食事や栄養は、夏の肌にどう関わる?

まず知っておきたいのは、紫外線対策と栄養では、担っている役割が違うということです。
食事やサプリメントを摂っても、日焼け止めの代わりにはなりません。
紫外線を浴びた後にビタミンを摂れば、受けた影響をすべてなかったことにできるわけでもありません。
- 外側の対策:日焼け止めや衣類などで、紫外線が肌へ届く量を減らす
- 内側の対策:体が日々働くために必要な栄養を摂る
どちらか一方で、もう一方の代わりになるわけではありません。
肌に良い栄養素を、一つだけ選べない理由
肌について調べると、ビタミンC、ビタミンB2、ビタミンE、亜鉛など、さまざまな栄養素が紹介されています。
しかし、肌を含む体は、一つの栄養素だけで維持されているわけではありません。
例えばビタミンB2は、体内で補酵素の材料となり、エネルギー産生や細胞の機能、成長、脂質などの代謝に関わっています。
ただし、
- 肌が荒れているから、ビタミンB2が不足している
- ビタミンB2を摂れば、肌がきれいになる
と単純に判断することはできません。
ビタミンB2が不足している人では、ほかの栄養素も不足している場合があり、肌の状態には紫外線、乾燥、摩擦、睡眠、食生活、スキンケア、体調など、さまざまな要素が関係するためです。
一つの美容成分を追加する前に、普段の食生活全体に大きな偏りがないかを見ることが基本です。
実は、ビタミンB2も光に弱い
ここで、今回の紫外線の話につながる、少し意外な特徴があります。
ビタミンB2は、紫外線や目に見える光によって失われやすい栄養素です。
米国国立衛生研究所(NIH)の資料では、ビタミンB2は紫外線や可視光によって速やかに失活することが説明されています。
牛乳が透明な容器ではなく、光を通しにくい容器で保存されることが多い理由の一つも、光によるビタミンB2の損失を抑えるためです。
普段何げなく見ている牛乳の容器にも、栄養を守る意味があるということです。
保存だけでなく、調理方法でも変わる
ビタミンB2は水に溶ける性質があります。
NIHの資料では、食品をゆでた場合、蒸したり電子レンジで調理した場合と比べて、調理水へ失われるビタミンB2の量が約2倍になると説明されています。
だからといって、ゆで調理が悪いということではありません。
- ゆで汁も食べられるスープや煮込み料理にする
- 蒸し料理や電子レンジ調理も取り入れる
- 牛乳や乳製品を日当たりの良い場所へ長時間置かない
といった小さな工夫ができます。
ビタミンB2は、牛乳やヨーグルト、卵、肉類、魚、きのこ類など、さまざまな食品に含まれています。
栄養は「何を食べるか」だけではなく、どう保存し、どう調理するかでも変わります。
外から守ることと、内側から支えること

今回紹介した日焼け止めの使い方は、紫外線が肌へ届く量を減らすための対策です。
一方、食事から摂るビタミンやミネラルは、肌だけを狙って働くものではなく、体が日々機能するために利用されます。
- 日焼け止めや衣類:外から受ける紫外線を減らす
- 食事:体が働くために必要な栄養を摂る
- サプリメント:普段の食事だけでは不足しやすい栄養を補助する
紫外線対策をサプリメントだけに任せることも、日焼け止めを使っているから食生活を考えなくてよいと考えることもできません。
外からは、紫外線を正しく防ぐ。
内側からは、一つの美容成分だけに偏らず、毎日の栄養を支える。
夏の肌対策は、どちらか一つを選ぶのではなく、役割の違う対策を組み合わせることが大切です。
今回、初めて知ったことはありましたか?
今回の記事は、公式LINEでいただいた「肌について知りたい」というお声をきっかけに作成しました。
今後も、こちらから一方的にお伝えするだけではなく、皆さまが実際に知りたい内容をもとに記事を作っていきたいと考えています。
今回紹介した5つの中で、初めて知ったことや、さらに詳しく知りたいことがあれば、ぜひ教えてください。